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筋トレは究極のアンチ・エイジングです(2019.4月更新)
はじめに
高齢化社会と言われて久しい昨今ですが、運動指導者の果たす役割の一つとして、中・高年者に対し安全で簡単に行え、しかも健康管理や機能訓練に有効な運動プログラムを指導出来るかが課題となっています。
水中歩行、アクアビクス、ウォーキングなど高年者でも出来る運動も普及して来ました。それに加え、筋力トレーニングが高齢者の老化抑制に効果のあることも常識化してきました。
筋力トレーニングと言うと重量挙げのような重いものを上げ下げする大変危険なお年寄りに不向きなイメージもあるでしょうが、若い人達が行う筋肉をムキムキにするだけがその目的ではありません。
スポーツや事故で怪我をした時に行われるリハビリトレーニングでは筋力トレーニングを行っていますし、腰痛や肩こり解消にも筋力トレーニングは有効です。
しかし、正しいやり方をマスターしなければ効果の無いばかりか腰、肘、膝などの関節に負担をかける事もあるので注意が必要です。正しいやり方をマスターするには、トレーニング施設などに足を運んで実際に指導してもらう事が一番ですが、予備知識として以下の事に留意すると良いでしょう。
1.下半身の筋力低下を防ごう
加齢に伴って全身の筋力が低下しますが、それが顕著に表れる個所が下半身なのです。30代から70代までの間に太ももの筋肉は四割近くも細くなります。おまけに股関節も硬くなり、それが原因で歩幅が狭くなり、少しの出っ張りにもつまずいてしまう事になります。
中・高年者の方が筋力トレーニングを行う場合、下半身の筋肉をしっかり鍛える事が重要になります。もちろん、年齢、体力によって運動種目に違いがあることは言うまでもありません。膝の曲りが浅くとも、スクワットの姿勢ができるかどうかがポイントです。
2.息を止めて動作をしない
筋力トレーニングにおいて、運動強度が高くなれば呼吸を止めて動作をせざるを得ないのですが、そうすると一時的に血圧が上昇し、体に無理な負担をかけることになります。
特に高齢者の筋力トレーニングの目的は、自分で立ち、歩き、元気で活動するための“生活の質”を末永く維持する事にありますので、息を止めてまで重いものを持ち上げようとする必要はありません。
一つの種目に付き、10~15回程度、呼吸をさほど乱さない位がちょうど良いのです、 動作はゆっくりと行います。規定回数終了後「少しきついかな」と思う位の負荷で十分に効果があります。
3.柔軟性や持久力、バランス感覚を高める運動も付け加える
体力と言うのは、何も筋肉を鍛えるだけで事足りる物ではありません。関節可動域を柔らかくしたり、筋肉をほぐす効果のあるストレッチングやウォーキングなど心肺機能を高める有酸素運動も大切です。
筋力トレーニングの宿命と言いましょうか、筋トレは個々の筋肉を鍛えるには効果的ですが身体をうまく使う“運動神経”の向上までは期待できません。身体をうまく使いこなす動きのトレーニングも必要になってきます。
4.気長に続けよう
若い時は意識して運動しなくとも元気なものです。しかし、40代、50代以降になって来ると、運動習慣のある人と無い人の差は大きく開いて行きます。有名なスポーツ選手であっても引退して10年何もしなければ“ただの人”になってしまいます。
生活にゆとりができ、何か始めようと思っても先に立つのが健康や体力です。
60代のある会員さんはこうおっしゃっています。「私にはテニスやゴルフなどのスポーツを始め、旅行やボランティア活動など趣味やチャレンジしたいことが山ほどあります。それらを楽しみながらやろうと思えば、今の年齢より多少余分な体力が欲しいのです。そのため週二回のトレーニングを欠かさないのです。」とおっしゃっています。
体力低下を感じた時こそ腰を上げる時なのです、「今更運動なんて・・」と思ってないで早速始めましょう!